@article{oai:ryujo.repo.nii.ac.jp:02000072, author = {扶瀬, 絵梨奈 and Fuse, Erina}, journal = {研究紀要}, month = {Feb}, note = {乳幼児の言葉の獲得過程や発達段階については、先行研究により多くのことが明らかとなっているが、「人はいつからうたい始めるのか」、「人はどのように歌唱を獲得していくのか」ということについてはほとんど検証されていない。そこで本研究では、言葉の獲得初期において乳児がどのように歌を記憶し、歌い始めていくのかを明らかにする目的をもって調査することとした。  生後4か月~ 1歳9か月までの1年5 ヶ月間に行われる歌唱過程について、全3期(第1期=前言語期、第2期=初語出現以降、第3期=2語文出現以降)に分けて観察したところ、「言葉とリズムが反復される箇所と、長音(1音節で2モーラもつもの)の箇所から歌唱表現が出現する」こと、「繰り返し歌唱するうち、単語と旋律の強勢(強拍)箇所へと歌唱範囲が広がっていく」ことが明らかとなった。  対象児は、歌唱の中で「うた」から徐々に「ことば」へと表現を展開していったが、成人が歌を覚えていく過程や、幼児期以降の「歌えるようになりたい」と挑戦的に覚える楽しみや意欲とは全く別の過程を経ており、①喃語や手足の動きによって、音楽を楽しむ段階 ②周りからの歌いかけを観察する段階 ③言葉とリズムが反復され、発音しやすい箇所を歌唱する段階 ④曲の中で長音にあたる箇所(1音節で2モーラもつもの)を歌唱する段階 ⑤言葉や振りを置き換えて、新しい歌として自発的に楽しもうとする段階 ⑥単語と旋律の強勢箇所へと歌唱範囲を広げ、やがて1フレーズ歌うことが可能となる段階 といった複数の過程を経て、特に、初語出現から2語文出現までの間には歌唱の範囲が大きく変化するなど、音楽と言葉の発達段階が関係しあっていることが示唆された。}, pages = {85--95}, title = {言葉の獲得初期における乳児の歌唱過程について}, volume = {44}, year = {2023}, yomi = {フセ, エリナ} }