@article{oai:ryujo.repo.nii.ac.jp:00000386, author = {村田, 康常 and Murata, Yasuto}, journal = {研究紀要}, month = {Dec}, note = {東日本大震災と、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故は、私たちの社会に大きな問いを突き付けた。震災を経験した私たちの社会は、懸命な救助や支援の活動を行った専門家たち、普通の市民、被災者自身の「協働」の力を示したが、一方で、原発事故は、「専門家と生活者との協働」がほとんど成立してこなかったこと、また、開かれた協働のために必要なコミュニケーションが極めて希薄だったことを露呈した。この出来事を通して専門化社会である現代社会が直面したのは、協働とコミュニケーションの問題だった。それは、文明論哲学としての経営哲学の問題である。  本論文では、ホワイトヘッドが提唱した「有機体の哲学」の文明論を、人間協働の文明論的意味と可能性、問題を問う経営哲学の先駆的な企てとして読み直すことを試みる。彼の有機体の哲学の構想は、ハーバード・ビジネス・スクールとその周辺に集った草創期の経営学者たち、いわゆる「ハーバード・サークル」に受容されて、協働の学としての経営学の哲学的な基盤となった。  専門家集団が「閉じた社会」となることなく、他の専門家たちや一般の生活者たちと開かれたコミュニケーションを基盤として協働するために、ホワイトヘッドは、「より偉大な共感の絆」に立脚し、私的な利害関係を超えた広い視野をもって説得的に他者と関わることを強調する。来るべき社会において、こうした視野をもった心性として期待されるのが「ビジネス・マインド」である。この心性は、大きな生きた有機体としてのこの現実世界の中で、自己自身を含む一切が互いに関係づけられながらそれ自身の固有の価値を実現していくことを自覚した心性である。震災と原発事故後の世界で、私たちが必要とする専門家と生活者の協働とコミュニケーションを開くのは、このような、他者に共感し、自己利害を超えて他者と説得的に関わる「ビジネス・マインド」であろう。}, pages = {77--92}, title = {共感に基づき説得によって促される協働―経営哲学としてのホワイトヘッド文明論―}, volume = {38}, year = {2016}, yomi = {ムラタ, ヤスト} }