@article{oai:ryujo.repo.nii.ac.jp:00000530, author = {扶瀬, 絵梨奈 and Fuse, Erina}, journal = {研究紀要}, month = {Feb}, note = {乳児は、「音を選択的に広く聴取できない」という聴こえの特徴をもっている。あるモノを音が鳴る“楽器”として捉え、はじめから音を出す活動を行い、さらにはその音に耳を澄ますことのできる成人と、そうした発達が未熟な時期である乳児とでは全く異なる音楽的環境との関わり方が存在するのではないだろうか。  本研究では、日々多くの音と出会い、そうした環境と関わりあいながら発達が促されていく乳幼児との音あそびを考える場合に必要な保育の視点をもちながら、生後10 ヶ月~11 ヶ月の乳児を対象として、音の鳴る玩具(ペットボトルマラカス)による遊びの場面を観察することとした。その結果、対象児がペットボトルマラカスを初めて認識した時には「モノ」であったが、興味をもち手に触れたところから「音の鳴るモノ」であることに気付き、様々な探索的行動を展開していった。探索的行動の中でモノと鳴る音の関係性を学習し、マラカスの中身の素材や音質の違いに集中する様子がみられた。やがて、音の面白さに気づき行為を即興的に繰り返したり、その喜びを他者と共有したり、児は行動を「表現すること」へと発展させていくことが分かった。このことを受け、保育者自身がアフォーダンスを学習する前の乳児の特性をとらえ、正しい音や正しい鳴らし方を教えるなどの教示的な関わりではなく、楽器を楽器として認識した保育実践の前に充分な探索的行動ができる音環境を設定する必要があることが確認された。  今回はコロナ禍の影響もあり調査対象を母子1組としたことをはじめ、データの数も充分ではなく残された課題も多い。この調査をひとつの契機として、今後複数の母子を対象として継続的な調査を行い詳細に検討することで、より有用な研究を進めていきたい。また、得られた研究成果を受けて、専門性の高い保育者の育成に貢献したいと考えている。}, pages = {73--85}, title = {乳児が音に興味をもつ過程についての分析―音の鳴るモノとの関わりあいを通して―}, volume = {43}, year = {2022}, yomi = {フセ, エリナ} }